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略歴

平成26年(2014)

私は昭和24年(1949)東京の渋谷で生まれ、育ちました。
小学校に入る前から父に連れられて銀座、日本橋界隈に遊びに出るのが楽しみで、
頻繁に通った万世橋の交通博物館と上野の尾久機関区はフリーパス状態になっていました。


昭和29年(1954)営団地下鉄丸の内線が開業したことで、
子供一人でも東京の中心部を歩き回ることができるようになり、遠征範囲はますます拡大して行きました。
山手線、中央線、地下鉄銀座線・丸の内線、都電、これらの路線を乗り倒して1日を過ごすこともありました。

就学前の子供が付き添い人無しで電車に乗ることが禁じられていているにもかかわらず、
見ず知らずのおじさんのうしろにくっついて無賃(正式には無料)乗車を繰り返していたあの頃が、
短くも最も充実した“鉄道人生“ではなかったかと思う次第であります。

東京オリンピック(1964)の開催された中学三年生のとき、原寸大のSL制作を試みましたが受験と重なり断念。
高校に入った頃から「鉄道」の熱は徐々に薄れ、「建築」に興味を抱くようになっていきました。
昭和49年(1974)25歳のとき、建築の設計を生業として社会人をスタートさせました。

その後、国内外で活動していた45歳の頃、生死の境を彷徨う大病(下垂体腫瘍)を患い、
両目の視力を失うとともに余命宣告を受けました。
生きる望みを絶たれ、つなぐ命に保障もないまま、親友の主治医から問われた突然の質問に、
口から出まかせの答えを切り出すことになったわけで、まさかその後の自分の人生を左右する程の
大きな意味を持つものになるとは思いもよりませんでした。

令和2年(2020)

主治医から、生き残れたら何をしたいのかと問われ、「原寸の蒸気機関車を作りたい」と即答しました。
死を前にして考えつくような言葉ではないし、ましてやとっくに忘れてしまった鉄道知識を
今さら思い出せる訳もないのに、どうしてこんな答えを口にしたのか、
いまもってわからないまま歳を重ねてきました。
平成15年(2003)54歳の誕生日の出来事でした。

平成21年(2009)還暦を期して建築の設計業務を離れ、
東京都板橋区の飛鳥山公園に静態保存されているD51853の採寸作業を開始。
4年をかけて図面化を終える。

平成25年(2013)3月1日、長崎県南島原市にある廃業した青果市場に残されていた
4000個の使用済みの段ボール箱を譲り受け、小さな倉庫で部品の制作を開始。
10ヶ月をかけてその年の12月29日完成。

長崎県東彼杵町総合文化ホールの舞台に設置されたD51

平成26年4月29日、長崎県東彼杵町総合文化ホールを皮切りに、全国に向けて巡回展示を開始。
長崎から17箇所を経て東京(最終は千葉県幕張市)に向かいました。
詳しくは「D51形蒸気機関車原寸段ボール模型を作る」をご覧ください。


原寸大の蒸気機関車は、その後4台制作することになりました。
制作記録は以下のホームページをご覧ください。
C62形蒸気機関車原寸段ボール模型を作る
1号機関車原寸段ボール模型を作る

平成15年、生きるか死ぬかの瀬戸際で口にした「原寸大の機関車を作る目標」は
10年かかって達成されましたが、制作し終えたことよりも、
命が長らえたことの喜びは何よりも変え難く、
私を支えていただいた周囲の方々に感謝する次第であります。

近影:令和4年(2022)

昭和24年(1949)  東京渋谷で生まれる。
昭和49年(1974)  設計事務所開設。
平成 5年(1993)  下垂体腫瘍発覚。
平成 7年(1995)  療養生活に入る。
平成15年(2003)  原寸ダンボール機関車の制作を着想。
平成21年(2009)  還暦を迎え退職。D51制作の準備に入る。
平成25年(2013)  3月長崎県南島原市でD51の制作開始、12月完成。
平成26年(2014)  巡回展示を開始する。
平成27年(2015)  巡回展示期間中阪急電車34形を大阪市で制作・展示。
平成28年(2016)  長崎県南島原市で帰還展(巡回展示終了)
           福岡県筑後市の段ボール会社内に工房を設置。
平成29年(2017)  C62形蒸気機関車の制作開始。
平成30年(2018)  C62完成。展示を開始する。一号機関車の制作開始。
令和 1年(2019)  一号機関車原型・島鉄型両形式同時完成。
          ホテルセキア(熊本県南関町)に「段ボール機関車館」を設営
          森アーツギャラリー&スカイギャラリー 特別展「天空ノ鉄道物語」  
令和 2年(2020)  段ボールを素材とする民製品の開発。
令和 3年(2021)  C62形蒸気機関車がギネスに認定される
          福岡県八女市「相良矢工房」内に工房を移設。
           島英雄◉WA工房を開設する。